里山里地保全活動

千提寺ビオトープ

千提寺ビオトープ

平成30年6月、NEXCO西日本によって、エコロードの取り組みのひとつとして、千提寺地区に動植物の生息基盤を人工的に復元するビオトープが整備され、隣接する森林と併せ、茨木市に移管されました。

そこで、茨木市と「里山及びビオトープ保全管理活動に関する協定書」を締結し、地域の自然生態系を守り、本来この地域にあった多様な自然が復元・創出できるよう取り組んでいます。

開始時期
2018年6月~

ビオトープだより

~穏やかな秋の陽射しを受けて~2019年11月号

昨日の観察日は、暑くもなく、寒くもなく、穏やかな陽射しの観察日和でした。いつもの府立大学研究室のみなさん、および予てより見学を希望されていた市民の方を交えて、和やかな雰囲気で観察を行いました。

昨年から保護してきたリンドウが花を咲かせました。花を咲き終えたゲンノショウコが見事なおみこしを作っていました。池では、先月まで活発に姿を見せていた生きものたちがめっきり減ったようです。また、花咲くリンドウの近くの草むらでヒキガエルが鳴いていました。ぼちぼち、冬支度でしょうか。今夜は少し冷え込むようです。(O)

(上段左より) 秋の雲・アキアカネ(ナツアカネ?)・調査風景・ウラギンシジミ・ツチハンミョウ・ゲンゴロウの仲間(ヒメゲンゴロウ?)の後足・マツモムシの後足・アオイトトンボ・はじける種子(ヤブツルアズキ)・ゲンノショウコ(別名神輿草)・リンドウ・ビオトープで出会った人たち

~秋のおとずれ~ 2019年10月号

池の平均水温は17℃まで下がりました。いよいよ秋のおとずれを迎えたようです。今日はいつもと違ったビオトープの一日でした。到着早々、真っ青な空を背にして、猛禽類のハイタカが飛んでいきました。クロゲンゴロウがすべての池で繁殖しはじめました。お尻に2つの紋をつけためずらしいクロゲンゴロウを見つけました。透明なギンヤンマのヤゴを見つけました。産卵中のコノシメトンボの卵を確認しました。ミヤマアカネのペアを捕らえ、それぞれの違いを確認しました。草花では、ツリフネソウが最後の花を咲かせていました。自生のヒヨドリバナが定着しました。アサギマダラの飛来が楽しみです。ミズオオバコの定着も確認しました。この水草を千提寺ビオトープのマスコットとして観察を続けることにしました。ほかに、体長1.5ミリの赤い目をしたマルミズムシや何とも言えない表情のナミウズムシに癒された秋晴れの観察日でした。(O)

(上段左より)ハイタカ・クロゲンゴロウ・ギンヤンマ(ヤゴ)・コシメトンボ・ミヤマアカネ(♀)・ミヤマアカネ(♂)・ツリフネソウ・ヒヨドリバナ・ミズオオバコ(実・種子)・マルモミズムシ・ナミウズムシ・観察スタッフ

~秋の訪れ~ 2019年9月号

ビオトープの空地に張ったタープを揺らしながら吹き抜けていく風に秋の気配を感じました。今月はミズオオバコがF区だけでなくC区、D区にも咲いていて広がっていたことが良かったです。 山の裾野にツリフネソウがたくさん蕾を付けていました。10月に花が咲くのが楽しみです。(T)

7月に廃棄された油回収の最終段階として、油が染み込んだ底土をバキューム車で回収しました。今後は、自然の回復力を期待しながら様子を見ていきたいと思っています。(O)

上段左から:ヒヨドリジョウゴ(花・実)・オオイヌタデ・チョウジタデ・中段左から:ツリフネソウ(蕾)・サワヒヨドリ・ミズオオバコ下段左から:(花)・ヒシ(花)・ゲンノショウコ(花)・バキューム車で汚染土を回収

~真夏の活動日~ 2019年8月号

真夏の調査日です。7名のスタッフで観察を行いました。ほかに、このビオトープを調査フィールドにされている大阪府立大学生命環境科学研究科の皆さんもやってこられました。この研究室の平井先生には、我々が活動を始めたころからご指導をいただいており、研究生の皆さんとの交流は活動日の楽しみでもあります。さらに、午後からは、茨木市の「生きもの調査員養成連続講座」の講座生の皆さんが来られ、にぎやかなビオトープ風景が広げられました。

今日のトピックスは、何と言っても「ミズオオバコ」の花です。レッドリストで絶滅危惧Ⅱ類です。準絶滅危惧の「クロゲンゴロウ」の成体も見つけました! ビオトープ環境は順調に整っているようです。がしかし、残念な出来事がありました。数日前、ビオトープ池に浮いている油を見つけました。周辺に不法投棄された油が流れ込み、その油を浴びたトンボや水草が消えました。今後も、ビオトープに住み始めた小さな生きものたちが、池に溶け込んだ微細油の影響を受けると考えられます。どうか皆さん、生き物の環境保全の大切さへの理解と、ビオトープ育成活動への応援よろしくお願いします。(O)

(上段):カキツバタ(実)、ヒメオトギリ、オトギリソウ (中段):ヒヨドリバナ(蕾)、ヒヨドリジョウゴ、ヤブツルアズキ(花・実) (下段):ミズオオバコ、クロゲンゴロウ、まだ残っている浮遊油 (いずれも左から、8月7日撮影)

~梅雨のビオトープ~ 2019年7月号

梅雨の合間の晴天の日、爽やかな観察日和でした。植物班4名、水生班6名で調査を行ないました。

沢山のオタマジャクシと出会え、「トノサマガエル」と「シュレーゲルアオガエル」のオタマジャクシの相違を識別することが出来ました。クロゲンゴロウの幼虫が元気に育っています。E区の水位を現状に保つことがクロゲンゴロウの生育には良い環境のようです。目視したトンボの成体:ウスバキトンボ・シオカラトンボ・シオヤトンボ・キイトトンボ・ショウジョウトンボ・オオシオカラトンボ・ルリボシトンボ。(S)

ビオトープの畦や側面にネジバナがたくさん咲いていました。湿地にもちらほらと咲いていましたがH区の斜面にはネジバナが群生していました。6月にはF区でガマが穂を出していましたが今回はA区とC区でコガマが穂(雄花、雌花)を出し始めていました。(T)

マムシ成体に遭遇しました。ビオトープ内に生息しているようです。調査時には、細心の注意で被害に会わぬように!注意札を立てることにした。(H)

(上段)オトギリソウ・コケオトギリソウ・アゼオトギリ(中段)ネジバナ・コガマ・調査風景・(下段)アカハライモリの幼生・イ(イグサ)・オタマジャクシの歯(シュレーゲルアオガエル)

~自然はともだち~ 2019年6月号

今月から、私たちが世話をしている『千提寺ビオトープ』の様子をお伝えします。毎月の調査活動で出会った生きものたちの様子を楽しんでいただけたらと思っています。では、今月の話題を紹介します。

6月12日、本年度第3回目の調査活動を行いました。植物班、水生班合わせて14名のスタッフが揃いました。

茂みの中でひっそりと咲くササユリを見つけました。ガマの穂から花粉が飛んでいました。調査中に飛び出したマムシが長靴の上を這っていきました。ゲンゴロウの幼虫を見つけました。コオイムシの幼体も見つかりました。モリアオガエルの卵塊を見つけました。この卵塊を楽しみにしているアカハライモリの幼体も見つけました。名前の分からないオタマジャクシ※をたくさん見つけました。これらのことから、この一年の間にビオトープの生きものが順調に増えていることが分かりました。(O)

(ガマについて)
ガマは、コガマ、ヒメガマ、ガマの3種類があります。ヒメガマは雌花と雄花の間にすき間があります。コガマは雌花、雄花の長さが短い。今日見つけたのはガマ。千提寺ビオトープでは、コガマと共にビオトープ景観を盛り上げています。(T)

(上段左から)・調査風景・ササユリ・ガマ・(下段左から)・キイトトンボ・アカハライモリ(幼生)・捕食中のゲンゴロウの幼虫

※名前の分からないオタマジャクシはトノサマガエルでした。